この簿記2級の仕訳問題20問は、科目・貸借・金額を自分で決めた後、解答の理由まで確認するための編集部作成ドリルです。3級の借方・貸方の基礎を終えた人が、2級の条件読みへ進むことを想定しています。
商業簿記19問と工業簿記1問を収録しました。実際の試験問題や出題予想の転載ではなく、出題頻度順のランキングでもありません。全問に取り組み、間違えた原因を分類して論点別の記事へ戻る使い方を勧めます。
この記事の目次
1. ドリルの使い方と前提
各問は独立した会社・取引です。単位は円。特に指定のない限り消費税は考慮せず、資料にない手数料・利息・原価を推測して追加しません。勘定科目は本ドリルに示す名称を用います。試験では指定科目・選択肢を優先し、「為替差損益」など許容される表記が違う場合もあります。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 解答前 | 紙に借方・貸方・金額を書く。解答を先に開かない |
| 解答後 | 科目・方向・金額の3点を照合 |
| 誤答時 | 条件の見落とし・科目・貸借・計算・二重計上のいずれかを記録 |
| 再演習 | 解答を閉じ、理由を説明しながら解き直す |
紙の手形の問3を含む2026年度向けです。2027年度以降は日商の改定区分表に合わせて教材を選んでください。点数は本ドリルの理解確認用で、これだけで本試験への合格可能性を判定するものではありません。
2. 問1〜4:債権・手形・預金
問1|クレジット売上と手数料
商品100,000円をクレジットカード払いで販売。カード会社への手数料3,000円は販売時に計上し、残額を後日受け取ります。
問1の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| クレジット売掛金 97,000 支払手数料 3,000 |
売上 100,000 |
売上は100,000円で、手数料を差し引いた97,000円が債権です。入金前なので普通預金にはしません。
問2|電子記録債権の発生
売掛金150,000円について、電子記録債権の発生記録を行いました。
問2の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 電子記録債権 150,000 | 売掛金 150,000 |
売掛金を別の資産科目へ振り替える取引であり、売上の追加計上ではありません。
問3|手形割引と日割り計算
手持ちの他社振出約束手形146,000円を割引き、割引料を引いた額が当座預金へ入金されました。年利2.5%、指定日数100日、1年365日とします。
問3の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 当座預金 145,000 手形売却損 1,000 |
受取手形 146,000 |
割引料は146,000×2.5%×100÷365=1,000円。入金145,000+費用1,000=消える手形146,000円です。紙の手形を扱う2026年度向けの設問です。
問4|銀行勘定調整表の未処理手数料
銀行が当座預金から引き落とした振込手数料1,980円を、会社はまだ記帳していません。会社側の修正仕訳を示してください。
問4の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 支払手数料 1,980 | 当座預金 1,980 |
銀行側で処理済み、会社側が未記帳なので会社の預金残高を減らします。未取付小切手のように会社側で記帳済みの項目と区別します。
3. 問5〜8:固定資産
問5|有形固定資産の付随費用
備品600,000円を購入。使用開始に直接必要な運送・据付費30,000円とともに、普通預金から支払いました。
問5の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 備品 630,000 | 普通預金 630,000 |
取得して使える状態にする直接の付随費用を含めます。指定された運送費を通常の荷造運賃へ分けないことを確認します。
問6|定率法の減価償却
機械の期首帳簿価額600,000円。定率法、償却率20%で1年分を償却します。間接法とし、保証額等の追加条件はありません。
問6の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 減価償却費 120,000 | 減価償却累計額 120,000 |
期首帳簿価額600,000×20%=120,000円。取得原価からもう一度累計額を控除する必要はありません。間接法なので機械を直接減らしません。
問7|固定資産の売却損
取得原価800,000円・売却時点の減価償却累計額560,000円の備品を180,000円で売却し、普通預金へ入金。売却日までの償却は記帳済みです。
問7の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 普通預金 180,000 減価償却累計額 560,000 固定資産売却損 60,000 |
備品 800,000 |
帳簿価額は800,000−560,000=240,000円。受取180,000円との差60,000円が損です。累計額を消す借方も必要です。
問8|資本的支出と修繕費
機械の改良により能力が向上した支出50,000円と、通常の維持修繕20,000円を普通預金から支払いました。前者は資産計上する指定です。
問8の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 機械 50,000 修繕費 20,000 |
普通預金 70,000 |
設問が示す性質を読み、70,000円全額を費用にしません。勘定科目と金額を両方分けます。
4. 問9〜11:償却・研究開発・債券
問9|ソフトウェアの月割償却
自社利用ソフトウェア720,000円を10/1から使用。残存価額0、利用可能期間3年、定額法で償却し、3/31に決算。直接法で処理します。
問9の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| ソフトウェア償却 120,000 | ソフトウェア 120,000 |
720,000÷3年×6か月÷12か月=120,000円。年間240,000円をそのまま計上しないことと、直接法の貸方を確認します。
問10|特定の研究開発専用設備
特定の研究開発目的だけに使用し、他の用途に転用できない装置600,000円を購入し、普通預金から支払いました。
問10の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 研究開発費 600,000 | 普通預金 600,000 |
装置という名称だけで固定資産を選ばず、特定の研究開発専用で転用できない条件を読みます。将来の別用途にも使える装置とは区別します。
問11|満期保有目的債券の償却原価法
額面1,000,000円の社債を期首に980,000円で取得し満期まで保有。差額は金利調整差額、償還まで4年、定額法です。期末に年利2%の利息を普通預金で受領。利息受領と1年分の償却をまとめて示してください。
問11の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 普通預金 20,000 満期保有目的債券 5,000 |
有価証券利息 25,000 |
現金利息は額面1,000,000×2%=20,000円。金利調整差額20,000÷4年=5,000円を債券に加算し、有価証券利息は25,000円です。
5. 問12〜15:純資産・法人税等・税効果
問12|株式発行と資本準備金
新株発行で払込額1,200,000円が普通預金に入金。払込額の半額を資本金、残額を資本準備金とする指定です。発行費用はありません。
問12の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 普通預金 1,200,000 | 資本金 600,000 資本準備金 600,000 |
半額ずつ600,000円です。資本剰余金の取引なので、残額を利益準備金や売上にはしません。
問13|配当と利益準備金
株主総会で繰越利益剰余金を原資に配当200,000円と利益準備金積立20,000円を決議。配当は後日支払うものとし、決議時の仕訳を示してください。
問13の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 繰越利益剰余金 220,000 | 未払配当金 200,000 利益準備金 20,000 |
配当と積立の合計220,000円だけ繰越利益剰余金を減らします。決議時にはまだ現金を支払っていません。積立額は設問で与えています。
問14|法人税等の中間納付の精算
決算で当期の法人税等は930,000円と確定。記帳済みの仮払法人税等330,000円があり、残額を未払計上します。
問14の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 法人税、住民税及び事業税 930,000 | 仮払法人税等 330,000 未払法人税等 600,000 |
当期費用は930,000円、未払額は930,000−330,000=600,000円。繰延税金資産を使う税効果とは別です。
問15|一時差異と繰延税金資産
減価償却に係る将来減算一時差異が期末160,000円、実効税率30%。対応する繰延税金資産の記帳前残高は0円です。
問15の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 繰延税金資産 48,000 | 法人税等調整額 48,000 |
必要残高は160,000×30%=48,000円。記帳前0円なので同額を追加します。残高がある場合は必要残高との差額が仕訳額です。
6. 問16〜19:収益認識・外貨
問16|契約資産から売掛金への振替
XとYは別個の履行義務で配分額X160,000円・Y240,000円。両方の引渡しで全額の権利が無条件となります。X引渡し時に契約資産160,000円を記録済み。今回Yを引き渡しました。
問16の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 売掛金 400,000 | 契約資産 160,000 売上 240,000 |
売掛金400,000円の全額を売上にするとX分を二重計上します。新たな売上はY分240,000円だけです。
問17|契約負債と役務収益
1/1に1年分の均等な保守サービス対価168,000円を先に受領し、全額を契約負債と記帳済み。1/1〜3/31の3か月分を決算で収益認識します。
問17の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 契約負債 42,000 | 役務収益 42,000 |
168,000×3÷12=42,000円。今回の仕訳に預金は出ません。受領時点で預金を記録しており、提供済み分を負債から収益へ移すためです。
問18|外貨建売掛金の決算換算
予約なしの売掛金3,000ドルを1ドル149円、447,000円で記録済み。期末未回収で、決算レートは153円です。
問18の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 売掛金 12,000 | 為替差益 12,000 |
決算残高3,000×153=459,000円へ12,000円増額。まだ回収していないので、普通預金は使いません。
問19|外貨建買掛金の決済
予約なしの買掛金2,500ドルの直前帳簿残高は380,000円。1ドル150円で全額を円で支払い、普通預金から引き落とされました。手数料なしです。
問19の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 買掛金 380,000 | 普通預金 375,000 為替差益 5,000 |
支払額は2,500×150=375,000円。負債380,000円より5,000円少ないので差益。買掛金を375,000円しか消さないと残高が残ります。
7. 問20:工業簿記と弱点の戻り先
問20|製造間接費の予定配賦
年間製造間接費予算4,800,000円、年間予定直接作業時間8,000時間。予定配賦率を用い、当月の実際直接作業時間140時間に基づいて仕掛品へ配賦します。
問20の解答と理由を見る
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕掛品 84,000 | 製造間接費 84,000 |
予定配賦率は4,800,000÷8,000=600円/時間。600×140=84,000円を製品原価へ振り替えます。原価差異の処理を求める設問ではありません。
図は横にスクロールできます。
| 間違えた問題 | 主な戻り先 |
|---|---|
| 問1〜4 | 債権・負債の増減、未処理と記帳済みの区別 |
| 問5〜11 | 取得価額、期首帳簿価額、月割り、費用と資産 |
| 問14・15 | 税効果会計:納付精算と一時差異の区別 |
| 問16・17 | 収益認識:契約資産・負債と残高の移動 |
| 問18・19 | 外貨建取引:時点別レートと直前残高 |
| 問20 | 個別原価計算:予定配賦と仕訳 |
8. 採点後の復習と記録方法
本ドリルでは、科目・貸借・金額がすべて合った問題を正解として記録します。科目を一つ取り違えた場合も、その誤りを残してください。これは本ドリルの自己採点ルールであり、本試験の採点基準や部分点を示すものではありません。
まず誤った問題だけを解き直し、その後に正解済みの問題と混ぜて再演習します。解答の数値だけを覚えた疑いがあるなら、「前受けを受領済み」「決算換算済み」「間接法」など条件を一つ変えたとき、どの科目が変わるかを言葉で説明してみましょう。新しい数値へ勝手に置き換えた問題を本試験の予想と呼ぶ必要はありません。
全問正解できれば2級の仕訳対策は終わりですか?
この20問は2級範囲の一部です。連結会計・本支店会計や他の工業簿記の記帳など、未収録の論点もあります。全問正解後は範囲全体の問題集や模試で、条件の異なる問題にも対応できるかを確認してください。
貸借の基本から戻る場合は2級無料講座の3級重要論点復習、3級範囲の確認は3級の仕訳30問へ。自分だけでは誤答理由が分からない場合に、動画・質問支援の比較で必要な補助を選べます。



