電卓操作で5分短縮!簿記1級の計算量に対応するための「メモリー機能」活用術

「簿記1級の計算量が多すぎて、時間内に終わらない…」
「下書き用紙に計算結果をメモして、また打ち直して…を繰り返している」
「電卓の『M+』とか『GT』って、結局どう使うのが便利なの?」

日商簿記1級の試験時間は、商業簿記・会計学で90分、工業簿記・原価計算で90分。
膨大な集計と複雑な計算をこの短時間で処理するには、「書く時間を減らす」ことが最大の時短になります。

電卓は単なる計算機ではなく、あなたの「武器」です。
この記事では、電卓の機能をフル活用して「計算結果をメモしない(書かない)技術」を伝授します。

まずは基本!「メモリーキー」の役割を再確認

意外と使っていない人が多い「M」のつくボタン。これらは「電卓の中に一時的に数字を保存する箱」だと思ってください。

M+ (メモリープラス)

表示されている数字を、メモリーの箱に「足す」

M- (メモリーマイナス)

表示されている数字を、メモリーの箱から「引く」

MR / RM (メモリーリコール)

箱の中身の合計を「呼び出す」
※メーカーにより表記が異なります

MC / CM (メモリークリア)

箱の中身を「空にする(消す)」
※計算が終わったら必ず押す癖を!

実戦テクニック①:【商業簿記】商品売買・有価証券の合計

簿記1級では、単価や通貨が異なる複数の商品を掛け合わせて、合計を出すシーンが頻発します。

【例題】以下の合計金額を求めよ

  • A商品:@150円 × 30個
  • B商品:@200円 × 25個
  • C商品:@500円 × 10個

❌ 悪い例(メモして打つ)

150 × 30 = 4,500 → (用紙に「4,500」と書く)
200 × 25 = 5,000 → (用紙に「5,000」と書く)
500 × 10 = 5,000 → (用紙に「5,000」と書く)
4,500 + 5,000 + 5,000 = 14,500
⇒ 時間がかかる上に、書き写しミス・打ち直しミスのリスク大!

⭕️ 良い例(メモリー機能)

150 × 30 [M+]
200 × 25 [M+]
500 × 10 [M+]
[MR] → 14,500

効果:いちいち「=」を押さず、結果をメモする必要もありません。下書き用紙を使わずに、電卓だけで完結します。

実戦テクニック②:【原価計算】差異分析・配賦計算

標準原価計算の差異分析などで、「標準コストから実際コストを引く(あるいはその逆)」場合にも威力を発揮します。

【例題】差異の合計を出す

標準原価:50,000円
実際原価:(A工程 20,000円 + B工程 35,000円)

50,000 [M+]
20,000 [M-]
35,000 [M-]
[MR] → -5,000(5,000円の不利差異)

効果:「引くもの」には [M-] を使うことで、プラスマイナスを間違えずに集計できます。

実戦テクニック③:【会計学】現在価値(割引計算)

簿記1級の最重要論点、「リース会計」「資産除去債務」「退職給付会計」などで必須となるのが、将来キャッシュフローの割引計算(現在価値算定)です。

「GT(グランドトータル)機能」を使うと爆速で解けます。

【例題】割引率5%で、3年間のキャッシュフローの現在価値合計を出す

  • 1年後:1,000円
  • 2年後:1,000円
  • 3年後:1,000円

※現価係数を使わず、電卓で割り戻す場合

GT機能を使った連打テクニック(CASIOの場合)

「÷」「÷」「1.05」と入力して定数計算モードにし、

1,000 [=] (1年目の現価:952.38…)
[=] (2年目の現価:907.02…)
[=] (3年目の現価:863.83…)
[GT] → 2,723.24…(合計)

効果:[=] を押すたびに計算結果が自動的に「GT」に蓄積されます。いちいちメモリーに入れる必要すらありません。
リース会計の「リース債務計上額」を一瞬で出すのに必須のテクニックです。

※SHARP等の電卓では操作方法が若干異なります(「÷」「1.05」「=」など)。ご自身の電卓のマニュアルで「定数計算」を確認してください。

注意点:メーカーによる「クセ」の違い

電卓は主に「CASIO(カシオ)」派と「SHARP(シャープ)・Canon」派に分かれます。以下の挙動の違いに注意してください。

機能 CASIO SHARP / Canon
定数計算 演算記号を2回押す
(例:++、–、××、÷÷)
演算記号は1回でOK
(数字→記号→数字→=)
GTクリア [AC] で消える [CA] で消える
([C]や[CE]では消えない)

まとめ:電卓は「書く時間」を減らすためのツール

簿記1級の合格者は、電卓を叩くスピードが速いだけではありません。「無駄な数字を書かない」から速いのです。

下書き用紙に「4,500」「5,000」と書いているその数秒が、積もり積もって命取りになります。
今日から、普段の練習問題で「M+」と「GT」を意識的に使い、「右手(電卓)だけで計算を完結させる」トレーニングを始めてみてください。

本番での「余裕」が劇的に変わるはずです。

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