過去問はいつから解く?簿記1級合格者が教える「過去問・予想問題集」の黄金比率と直前期の戦略

「インプットが一通り終わったけど、過去問はいつから手をつけるべき?」
「過去問を何年分やるべきか、予想問題集もやるべきか迷っている」
「直前期の回転数(復習)はどれくらい必要?」

日商簿記1級の学習において、テキスト学習(インプット)はあくまで「準備運動」に過ぎません。
合格できるかどうかは、「過去問・予想問題集(アウトプット)」の戦略的な活用にかかっています。

しかし、2級までと同じ感覚で「過去問だけひたすら回す」戦法を取ると、1級では足元を救われます。
この記事では、合格者が実践している「過去問着手のタイミング」と、合格を確実にするための「過去問と予想問題集の黄金比率」を徹底解説します。

結論:過去問着手は「試験の2ヶ月前」がデッドライン

まず、スケジュールの目安です。1級の試験範囲は膨大ですが、どんなに遅くとも「試験の2ヶ月前(8週間前)」には、過去問・予想問題集などの「総合問題演習」に入ってください。

理想的な直前期スケジュール(2ヶ月前〜)

  • 残り8週〜5週:
    【過去問】を中心に解く。
    敵(試験のクセ、難易度、時間配分)を知るフェーズ。
  • 残り4週〜2週:
    【予想問題集(模試)】を投入。
    初見の問題への対応力、新論点対策、捨て問の見極めを鍛えるフェーズ。
  • 残り1週:
    【総仕上げ】
    間違えた問題の解き直し、理論の最終確認。

簿記1級における「過去問」と「予想問題集」の役割違い

2級までは「過去問さえやっておけば受かる」と言われがちですが、1級は事情が異なります。
それぞれの役割を明確に理解しましょう。

過去問

役割:基礎体力と傾向分析

  • 日商簿記特有の「言い回し」や「出題形式」に慣れる。
  • 「傾斜配点」や「難易度の波」を肌で感じる。
  • 注意点:会計基準の改正により、古い問題は使い物にならない(または解き方が変わっている)ケースが多い。

予想問題集

役割:新論点対策と実戦力

  • 「収益認識会計基準」などの最新の論点・改正論点に対応できる。
  • 予備校が威信をかけて予想した「今年出る論点」を潰せる。
  • 「初見の問題」にビビらないメンタルを作る。

合格者が教える「黄金比率」はこれだ!

では、具体的にどのくらいの割合で解くべきか。
ズバリ、簿記1級合格のための黄金比率は以下の通りです。

演習量の黄金比率

過去問 5予想問題 5

(または、過去問 4 : 予想問題 6)

驚くかもしれませんが、「過去問偏重」は1級では危険です。

理由はシンプルで、「会計基準の改正が頻繁にあり、古い過去問は役に立たない(むしろ有害な)場合があるから」です。

【具体的なセット数目安】

  • 過去問:直近 5〜7回分 を完璧にする。
    (※10年前の問題などは、改正の影響が大きすぎるため深入り不要)
  • 予想問題集:市販のものや予備校の答練を 4〜8回分 解く。
    (※各予備校の予想を網羅することで、未学習論点をなくす)

効果を最大化する「解き方」と「復習法」

ただ漫然と解くだけでは、実力はつきません。合格者は次のように解いています。

1. 時間を「マイナス10分」で設定する

本番は緊張で手が震えたり、想定外の難問で頭が真っ白になったりします。
普段の演習では、制限時間(90分)よりも短い「80分」で解き切る訓練をしてください。

2. 「捨て問」を見極める訓練をする

1級合格の鍵は、満点を取ることではなく「70点を死守すること」です。
問題を解く際、最初に全体を眺めて以下のようにランク付けを行い、「C」には手を出さない訓練を徹底してください。

  • Aランク:基本的かつ絶対に落とせない問題 → 完答を目指す
  • Bランク:少し難しいが時間をかければ解ける問題 → 部分点を狙う
  • Cランク:マニアックな難問・奇問 → 即・捨てる(後回し)

3. 復習は「下書き」の再現にこだわる

答えが合っていたかどうかより、「効率的な下書き(集計プロセス)が書けたか」を重視してください。
解説にある「美しい下書き」と「自分の下書き」を見比べ、無駄な集計や書き方を修正します。これが計算スピードを上げる唯一の方法です。

まとめ:過去問は「守り」、予想問題は「攻め」

直前期の学習は、バランスが命です。

過去問で「形式」と「基礎」を固め(守り)、
予想問題で「新傾向」と「初見対応力」を磨く(攻め)。

この両輪が噛み合った時、あなたの実力は合格レベルに達します。
「過去問の点数が悪い…」と落ち込む必要はありません。本番で点数を取るために、今のミスがあるのです。残り2ヶ月、戦略的に演習を積み重ねていきましょう!

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