「税理士として独立するなら、行政書士も取ったほうが有利?」
「ダブルライセンスで『最強の士業』になれるって本当?」
「試験科目は被ってるの? 同時に勉強できる?」
士業の世界で、最もポピュラーかつ強力な組み合わせの一つと言われるのが「税理士 × 行政書士」のダブルライセンスです。
結論から言えば、この組み合わせは「実務上の相性が抜群」であり、かつ「ある“特権”により、コスパが最強」です。
この記事では、なぜこの2つが最強と言われるのか、その理由(メリット・シナジー)と、試験勉強における関連性について徹底解説します。
最大の衝撃:税理士は「無試験」で行政書士になれる
まず、このダブルライセンスを語る上で絶対に知っておかなければならない「ルール」があります。
それは、「税理士資格を持っている人は、行政書士試験を受けずに、行政書士登録ができる」という特例です。
行政書士法 第2条(資格)
次の各号のいずれかに該当する者は、行政書士となる資格を有する。
- 一 行政書士試験に合格した者
- 二 弁護士、弁理士、公認会計士 または 税理士 となる資格を有する者
- (以下略)
つまり、あなたが税理士試験(5科目)に合格して税理士になれば、オマケとして「行政書士」になる権利も自動的についてくるのです。
わざわざ行政書士試験(合格率約10%の難関)を別個に受ける必要はありません。これが「最強(かつ最も効率的)」と言われる最大の理由です。
実務でのシナジー:なぜ「最強」なのか?
「登録できるからといって、実務で役に立つの?」
答えは「YES」です。税理士業務と行政書士業務は、驚くほど親和性が高く、顧客を囲い込む「ワンストップサービス」を実現できます。
シナジー①:会社設立(起業支援)のワンストップ化
起業家が会社を作る時の流れを見てみましょう。
【通常の流れ】
① 行政書士に依頼 ⇒ 定款作成・認証(会社設立)
② 税理士を探して依頼 ⇒ 税務署への届出・顧問契約
【ダブルライセンスの場合】
「会社設立(行政書士業務)」から「税務顧問(税理士業務)」まで、あなた一人で完結!
顧客にとっては窓口が一つで済みますし、税理士にとっては「設立段階から顧客をガッチリ囲い込める(顧問契約につなげやすい)」という絶大なメリットがあります。
シナジー②:建設業許可と決算のセット受任
建設業のクライアントは、5年に1度の「建設業許可の更新」や毎年の「決算変更届」が必要です。これらは行政書士の独占業務です。
しかし、提出書類の中には「財務諸表(決算書)」が含まれており、これは税理士が作成するものです。
ダブルライセンスなら、「日々の税務顧問」+「許認可申請」をセットで高単価受注することができます。
シナジー③:相続手続きのフルサポート
相続が発生した際、必要なのは「相続税申告(税理士)」だけではありません。「遺産分割協議書の作成(行政書士)」や「自動車の名義変更(行政書士)」なども必要です。
これらをまとめて引き受けることで、「相続に強い専門家」としての付加価値が高まります。
試験の関連性:同時に勉強するのはアリ?
「税理士になる前に、とりあえず行政書士を取っておこうかな?」と考える人もいるでしょう。しかし、試験内容の相性は決して良くありません。
| 比較項目 | 税理士試験 | 行政書士試験 |
|---|---|---|
| 主な科目 | 簿記、財務諸表論、 法人税、所得税、相続税など |
憲法、民法、行政法、 商法・会社法など |
| 学習内容 | 「数字」と「税法」 | 「法律(六法)」 |
| 重複 | ほとんど無し (※民法や会社法の一部で思考法が役立つ程度) |
|
結論:同時並行での学習はおすすめしません。
税理士試験はただでさえ超難関です。全く分野の異なる行政書士試験(法律系)にリソースを割くと、共倒れになるリスクが高いです。
もし税理士が本命なら、「まずは税理士試験に専念し、合格後に無試験で行政書士登録する」のが、最も賢く、確実な最短ルートです。
ダブルライセンスの注意点(デメリット)
良いことづくめに見えますが、注意点もあります。
💰 維持費(会費)がダブルでかかる
資格を持っているだけならお金はかかりませんが、「登録」して仕事をするには、それぞれの会に所属する必要があります。
- 税理士会費:年間 約10万〜15万円
- 行政書士会費:年間 約6万〜8万円
合計で年間20万円程度の固定費がかかります。行政書士業務でそれ以上の利益を出せなければ、単なるコスト増になってしまいます。
まとめ:まずは「税理士」を目指せ!
税理士と行政書士のダブルライセンスは、独立開業において「集客の入り口を広げ、顧客単価を高める」ための最強の武器となります。
しかし、その武器を手に入れるための戦略はシンプルです。
まずは「税理士試験」に合格すること。
税理士にさえなれば、行政書士への道は自動的に開かれます。
関連資格に浮気することなく、まずは本丸である税理士試験の突破に全力を注いでください!

