あなたは対象?税理士試験の「試験免除」制度をまるごと解説(国税従事者・他資格)

「税務署に長く勤めていれば、税理士になれるって本当?」
「公認会計士や弁護士は、試験を受けずに税理士登録できるの?」
「大学院免除以外に、自分に使える免除制度はないかな?」

税理士試験の免除制度といえば「大学院(院免除)」が有名ですが、実はそれ以外にも、特定の職歴や資格を持つ人に認められた「試験免除制度」が存在します。

これらは、長年の実務経験や、他の難関国家資格による知識を評価する制度です。
もしあなたが対象者であれば、過酷な受験勉強をショートカット、あるいはスキップして税理士になる権利を持っているかもしれません。

この記事では、見落としがちな「国税従事者」「公認会計士・弁護士」「大学教授」などの免除規定を網羅的に解説します。

【一覧】税理士試験が免除される「3つのルート」

大学院免除(修士論文)以外の主な免除ルートは、大きく分けて以下の3つです。

① 国税従事者免除

税務署などに長期間勤務した公務員(いわゆる国税OB)が対象。

② 資格保有者免除

公認会計士または弁護士の資格を持つ人が対象(全科目免除)。

③ 学識経験者免除

大学教授などで、税法や会計学の講義を担当している人が対象。

1. 国税従事者(税務職員)による免除

最も利用者が多く、歴史ある制度です。税務署や国税局で、一定期間以上「税務に関する事務」に従事した公務員は、その経験年数に応じて試験科目が免除されます。

免除される条件と範囲

  • 【10年以上勤務】
    「税法科目(3科目)」が全て免除されます。
    ※税理士になるには、残りの「会計科目(簿記論・財務諸表論)」に合格する必要があります。
  • 【23年以上勤務】+【指定研修】
    「全科目(5科目)」が免除されます。
    ※23年以上の勤務に加え、国税審議会が指定する研修を修了することで、試験を受けずに税理士登録が可能になります。

※上記は一般的な例です。職務内容(国税専門官など)によって「15年以上で税法免除」など細かく規定されています。

このルートの特徴

定年退職後や、早期退職して税理士として独立開業する「OB税理士」が多く誕生するルートです。
ただし、「単に税務署にいただけ」ではダメで、賦課や徴収などの専門的な事務に従事している必要があります。

2. 公認会計士・弁護士資格による免除(ダブルライセンス)

他の難関国家資格である「公認会計士」と「弁護士」には、特例が認められています。

試験なしで「全科目免除」

公認会計士または弁護士の資格を持っている人は、
税理士試験を受けることなく、税理士登録が可能です。

なぜ免除されるのか?

  • 公認会計士:試験科目(租税法など)や実務補習において、税理士業務を行うのに十分な知識と実務能力を有しているとみなされるため。
  • 弁護士:法律の専門家として、税法を含むあらゆる法律事務を行う権限があるため(※税理士登録には所定の研修が必要な場合があります)。

これにより、多くの公認会計士が独立する際に「公認会計士・税理士事務所」として看板を掲げることができます。

3. 学識経験者(大学教授等)による免除

少し特殊なルートですが、アカデミックな分野での実績による免除です。

【対象者】
大学等で、税法または会計学に関する科目の「教授」または「准教授」として、3年以上その職にあった者(講師は含まれません)。

【免除内容】
担当していた科目に関連する試験科目が免除されます。
(例:会計学の教授なら、簿記論・財務諸表論が免除)

さらに、「博士号(ドクター)」を取得した人も、国税審議会の認定を受ければ、その関連科目が免除されます(こちらは大学院免除の延長線上にある制度です)。

まとめ:自分に使える「カード」を確認しよう

税理士試験は「5科目受験して合格する」だけが唯一の道ではありません。

あなたの属性 使える可能性のある免除
税務署職員(10年〜) 税法3科目免除(要:会計科目合格)
税務署職員(23年〜) 全科目免除(試験なしで税理士へ)
公認会計士・弁護士 全科目免除(登録のみでOK)
大学院修了(修士) 一部科目免除(現在主流のルート)

もしあなたがこれらの条件に当てはまる、あるいは将来的に当てはまる可能性があるなら、国税庁のホームページで詳細な要件を必ず確認してください。
使える制度を賢く利用し、最短ルートで税理士資格を勝ち取りましょう!

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