「簿記2級に合格した!次はもっと上の資格を目指したい」
「税理士試験の『簿財』と『日商簿記1級』、どっちを受けるべき?」
「難易度や就職での評価はどう違うの?」
簿記2級合格者が次に直面する最大の分岐点。それが「簿財(税理士ルート)」に進むか、「簿記1級(企業会計ルート)」を極めるか、という選択です。
どちらも難関資格ですが、学ぶ内容(特に工業簿記の有無)と、合格後のキャリアパスは全く異なります。
この記事では、両者の違いを一覧表で比較し、あなたの目的(就職・転職・独立)に合わせた「正解ルート」を提示します。
結論:あなたの「ゴール」で決めるのが正解
迷っているなら、自分の「なりたい将来像」から逆算してください。判断基準はシンプルです。
税理士になりたい人
会計事務所で働きたい人
税理士になるための必須科目。
科目合格が一生有効なので、働きながら積み上げられる。
大企業・メーカー経理
公認会計士を目指す人
大企業の経営管理に必須の
「高度な原価計算(工業簿記)」
を学べるのはこちらだけ。
【一覧表】簿財 vs 簿記1級 徹底スペック比較
それぞれの試験制度の違いを整理しました。最大の違いは「工業簿記・原価計算」があるかないかです。
| 項目 | 税理士(簿記論・財務諸表論) | 日商簿記1級 |
|---|---|---|
| 試験範囲 | 商業簿記・会計学のみ ※工業簿記・原価計算は出ない |
商業簿記・会計学 + 工業簿記・原価計算 |
| 合格基準 | 相対評価(上位10~15%) 競争試験 |
絶対評価(70点以上) ※実質は相対評価に近い調整あり |
| 合格の有効期限 | 一生有効(科目合格制) | 一生有効 |
| 開催頻度 | 年1回(8月) | 年2回(6月・11月) |
| 受験資格 | 要件あり(大学で単位取得、 または日商簿記1級合格など) ※令和5年度より簿記論・財表論は受験資格撤廃(誰でも受験可) |
なし(誰でも受験可) |
詳細解説:「簿財」の特徴とメリット
「簿財」= 会計のプロへの第一歩
税理士試験の必須科目である「簿記論」と「財務諸表論」の2科目を指します。
- ✔
「工業簿記」を勉強しなくていい:
ここが最大のメリットです。製造業の原価計算(シュラッター図など)が苦手な人は、簿財の方が相性が良いかもしれません。 - ✔
深掘り型の難しさ:
範囲が商業簿記・会計学に限定される分、出題内容は簿記1級よりもマニアックで、深い理解と計算スピードが求められます。 - ✔
科目合格の価値:
「簿財合格」という肩書きは、会計事務所への転職において最強のカードになります。
詳細解説:「日商簿記1級」の特徴とメリット
「簿記1級」= 大企業経理のスペシャリスト
商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目をすべてマスターする必要があります。
- ✔
「原価計算」が必須:
メーカーなどの大企業では、製品コストを管理する原価計算の知識が不可欠です。一般企業での評価は、簿財よりも簿記1級の方が高い傾向にあります。 - ✔
総合力が問われる:
4科目のうち1つでも足切り(40%未満)があると不合格になります。全範囲をバランスよく仕上げる必要があります。 - ✔
税理士の受験資格になる:
高卒の方や、大学で法律・経済科目を履修していない方は、簿記1級に合格することで、税理士試験(税法科目)の受験資格を得られます。
結局、難易度はどっちが上?
これは永遠のテーマですが、以下のように言われることが多いです。
総合的な合格難易度(労力)は、
ほぼ互角 です。
簿記1級:
「4科目を同時に」合格点に持っていく難しさがあります。
簿財:
1科目ずつ受験できますが、一つ一つの科目が深く、「競争率(上位10%)」が激しい難しさがあります。
ただし、「簿財の2科目を一度に合格する」ことと「簿記1級に合格する」ことを比べると、簿財2科目同時合格の方がやや難易度が高いとされることが多いです。
まとめ:迷ったら「原価計算」への興味で選べ!
最後に、選び方のポイントをもう一度整理します。
- 「原価計算(工場のお金の計算)」に興味がある、またはメーカーで働きたい
→ 迷わず 日商簿記1級 へ進んでください。 - 「原価計算」は嫌いだ、将来は独立したい、税金のプロになりたい
→ 迷わず 税理士試験(簿財) へ進んでください。
どちらの資格も、取得すればキャリアの景色が一変する強力な武器です。
あなたの目指す将来に合わせて、後悔のない選択をしてください!

