監査法人だけじゃない! 公認会計士の多様なキャリアパス10選(FAS、コンサル、CFO、独立開業…)

「監査法人の次はどうしよう? 監査以外の仕事も経験してみたい」「CFOやコンサルタントって、会計士からどうやってなるの?」
「安定を取るか、挑戦するか。自分の市場価値を最大化する道は?」

公認会計士試験に合格し、監査法人で修了考査を終える頃、多くの会計士が「キャリアの分岐点」を迎えます。

かつては「監査法人でパートナーを目指す」か「独立」の二択が主流でしたが、現在は選択肢が爆発的に増えています。
公認会計士資格は、監査をするためだけの免許ではなく、ビジネス界の「プラチナチケット」です。

この記事では、監査法人を飛び出した後に広がる、公認会計士の多様なキャリアパス10選を、年収イメージや求められるスキルと共に徹底解説します。

キャリアの方向性は大きく「3つ」に分かれる

具体的な10選に入る前に、大きな方向性を整理しましょう。

  • ① プロフェッショナル・ファーム系
    (FAS、コンサル、税理士法人など。専門性を武器にクライアントを支援する。)
  • ② 事業会社(インハウス)系
    (上場企業、ベンチャーなど。組織の中に入り、当事者として経営を支える。)
  • ③ 独立・その他
    (独立開業、講師、公的機関など。自分の名前で勝負する。)

Category 1:プロフェッショナル・ファーム系

1. FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)

【年収】高い(1,000万〜2,000万超)
【親和性】★★★★★

M&A(企業の合併・買収)や事業再生を専門とするファームです。BIG4の系譜(デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーなど)や独立系ブティックがあります。

主な業務:

  • 財務デューデリジェンス(買収先の財務調査)
  • バリュエーション(企業価値算定)
  • PMI(買収後の統合支援)

監査で培った「数字を見る力」を最も直接的に活かせるため、転職の王道ルートです。激務ですが、年収水準は監査法人より高くなります。

2. 戦略・経営コンサルティングファーム

【年収】非常に高い(1,000万〜3,000万超)
【親和性】★★★☆☆

マッキンゼーやBCG、アクセンチュアなどのコンサルティング会社です。「財務」だけでなく、全社的な経営戦略や業務改善を提案します。

ポイント:
会計知識だけでは通用しません。「論理的思考力(ロジカルシンキング)」と「問題解決能力」が強烈に求められます。会計士の強みである「数字への強さ」をベースに、ビジネス全体を俯瞰したい人におすすめです。

3. 税理士法人(国際税務・組織再編)

【年収】普通〜高い
【親和性】★★★★☆

BIG4税理士法人や、中堅の税理士法人へ転職し、「税務」のスペシャリストを目指す道です。公認会計士は税理士登録も可能です。

狙い目:
一般的な確定申告ではなく、「移転価格税制(国際税務)」や「組織再編税制(M&A絡み)」など、高度な税務領域は会計士の独壇場であり、市場価値が非常に高いです。

4. PEファンド(プライベート・エクイティ)

【年収】トップクラス(数千万〜億)
【親和性】★★☆☆☆(狭き門)

投資家から資金を集め、未公開企業を買収し、企業価値を高めてから売却(Exit)して利益を得るファンドです。

ポイント:
FASや戦略コンサル、投資銀行を経由して入るのが一般的。「投資家」としての判断力と、経営陣に乗り込んで改革を実行する「経営力」の両方が求められる、金融キャリアの最高峰の一つです。

Category 2:事業会社(インハウス)系

5. ベンチャー・スタートアップのCFO(最高財務責任者)

【年収】振れ幅大(ストックオプションで一攫千金も)
【親和性】★★★★☆

近年、最も人気のあるキャリアの一つです。成長中のベンチャー企業の「金庫番」兼「経営戦略パートナー」として参画します。

主な業務:
資金調達(銀行・VC対応)、IPO(株式上場)準備、管理部門の立ち上げ。
「経営者の一員」として、会社の急成長をダイレクトに肌で感じられるのが最大の魅力です。

6. 上場企業の経理・財務マネージャー

【年収】安定(800万〜1,200万程度)
【親和性】★★★★★

大手企業の経理部における幹部候補です。連結決算、有価証券報告書の作成、開示業務などをリードします。

ポイント:
監査法人時代の「監査する側」から「作る側」へ回ります。ワークライフバランスが整っている企業が多く、長期的に安定して働きたい人に最適です。

7. 経営企画(Corporate Planning)

【年収】安定〜高い
【親和性】★★★☆☆

経理ではなく、社長直轄の「経営企画室」などで、中期経営計画の策定や予算管理、予実分析、M&A戦略の立案などを行います。

ポイント:
「過去の数字(会計)」だけでなく、「未来の数字」を作る仕事です。事業部側とのコミュニケーション能力が重要になります。

8. 内部監査・内部統制(Internal Audit)

【年収】安定
【親和性】★★★★★

グローバル企業などで、社内の不正防止や業務効率化をチェックする仕事です。監査法人の経験がそのまま活かせます。

ポイント:
近年、コーポレートガバナンス(企業統治)の重要性が高まっており、社内での地位も向上しています。英語力があれば、海外拠点の監査で世界を飛び回ることも可能です。

Category 3:独立・その他

9. 独立開業(会計事務所・コンサル)

【年収】青天井(ピンキリ)
【親和性】★★★★☆

自分の事務所を構えます。一般的な税務顧問だけでなく、「IPOコンサル」「社外役員(社外監査役)」「M&A支援」など、会計士ならではの高単価業務を組み合わせるのが成功の鍵です。

必要な力:
会計知識以上に「営業力」と「人脈」が全てです。自由度は最大ですが、全ての責任を自分で負う覚悟が必要です。

10. 会計士講師・予備校講師

【年収】実力次第(人気講師は数千万)
【親和性】★★★★☆

TACや大原、CPAなどの予備校で、後進の指導にあたります。「教えることが好き」「受験時代のノウハウを活かしたい」という人に適しています。

ポイント:
人気商売の側面があり、話術や分かりやすさが評価されます。副業として始める人も多いです。

まとめ:あなたの「武器」をどこで使うか?

公認会計士という資格は、あくまで「最強のパスポート」です。それを使ってどこの国(業界)に行き、何をするかはあなた次第です。

キャリア選択のヒント

  • 年収を最大化したい ⇒ FAS、戦略コンサル、PEファンド、独立成功
  • 経営の手触り感が欲しい ⇒ ベンチャーCFO、経営企画
  • ワークライフバランス重視 ⇒ 上場企業経理、内部監査
  • 専門性を突き詰めたい ⇒ 税理士法人(国際税務)、FAS

監査法人での経験は、どのパスに進むにしても貴重な土台となります。
「会計士だから監査しかしちゃいけない」というルールはありません。ぜひ視野を広く持ち、あなただけのキャリアを築いてください。

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