公認会計士が「独立開業」するメリット・デメリット〜成功の秘訣と必要な準備

「監査法人でのキャリアも充実しているけど、いつかは『自分の名前』で勝負したい」
「独立して年収3,000万円を目指したいが、失敗するリスクが怖い」
「監査しか経験がない自分に、独立なんてできるのだろうか?」

公認会計士にとって「独立開業」は、キャリアの究極の選択肢の一つです。
組織の歯車ではなく、一国一城の主として働く自由と、青天井の報酬は魅力的です。

しかし、独立とは「監査法人」という巨大な看板と、毎月の安定給与を捨てることでもあります。
この記事では、公認会計士が独立する際のリアルな「光と影(メリット・デメリット)」、そして成功するために準備すべきことを徹底解説します。

公認会計士が独立する「4つのメリット」

まずは、リスクを冒してでも独立を目指すだけの大きなメリットを見ていきましょう。

① 年収は「青天井」〜努力がダイレクトに反映〜

監査法人では、どれだけ優秀でも年収には上限(テーブル)があります。しかし独立すれば、売上はすべて自分のものです。

  • 高単価なIPOコンサルやM&A支援を受注できれば、年収3,000万円〜5,000万円も現実的です。
  • 経費コントロールや節税も自分の裁量で行えるため、可処分所得はさらに増えます。

② 圧倒的な「自由」〜時間・場所・客を選べる〜

「誰と、いつ、どこで働くか」を全て自分で決められます。

  • 満員電車も、無意味な社内会議も、嫌な上司もいません。
  • 「午前中はサーフィン、午後は仕事」といったライフスタイルも実現可能です。
  • 合わないクライアントとは契約しない、という選択権も自分にあります。

③ 定年がない〜一生現役の専門家〜

監査法人には定年(パートナーでも60歳前後)がありますが、独立すれば定年はありません。
知識と経験が資産となり、70代、80代になっても「先生」として現役で活躍し続けることができます。

公認会計士が独立する「3つのデメリット・リスク」

光があれば影もあります。独立前に直視すべき厳しい現実です。

① 収入の保証がない〜毎月給料が入る魔法は解ける〜

最も大きな不安要素です。病気で倒れても、クライアントが契約解除しても、誰も守ってくれません。
特に開業初期は、売上が立たず、貯金を切り崩す生活になることも覚悟しなければなりません。

② 「営業」からは逃げられない

監査法人時代は、会社が仕事を用意してくれました。しかし独立後は、自分で仕事を取ってこなければ、売上はゼロです。
会計のプロである前に、「自分という商品を売り込む営業マン」である必要があります。営業が苦手な人には最大の苦痛となるでしょう。

③ 雑務も全て自分〜コピー用紙の補充まで〜

経理、請求書発行、ITトラブル対応、備品の買い出し…。これまでバックオフィス部門がやってくれていた全ての雑務を、自分一人(または少数のスタッフ)でこなす必要があります。本業以外の時間に追われることになります。

独立会計士の主な「収入源」〜何で稼ぐのか?〜

「監査」の独占業務を持つ会計士ですが、独立後のメイン業務は監査ではありません。

税務顧問 【ベース収入】
中小企業や個人事業主の税務申告・顧問。
毎月定額が入るため経営が安定しますが、「税理士」としての税務知識が必須です。
コンサルティング 【高単価スポット】
IPO支援、M&Aデューデリジェンス、株価算定、内部統制構築など。
単価は高いですが、案件がない月もあるため波があります。
監査の非常勤 【命綱・安定収入】
監査法人の繁忙期などに「非常勤(アルバイト)」として手伝う。
日当数万円〜と高額で、開業初期の食い扶持として非常に重要です。
社外役員・監査役 【不労所得に近い】
上場企業などの社外役員として、月に数回の会議出席で報酬を得る。
高い専門性と人脈が必要な「アガリ」のポジション。

独立成功のための「3つの準備と秘訣」

勢いだけで独立すると失敗します。監査法人にいる間に、着々と準備を進めることが重要です。

① 「税務」の実務経験を積んでおく

多くの独立会計士が口を揃えるのが「税務を知らずに独立するのは自殺行為」ということです。
中小企業の社長が求めているのは「監査」ではなく「税金の相談」です。監査法人時代に税務部へ出向するか、独立前に税理士法人で数年修行し、申告書作成の実務をマスターしておくことが必須です。

② 「人脈(見込み客)」を作っておく

看板を掲げた瞬間に客が来るわけではありません。
「独立したら顧問をお願いしたい」と言ってくれる社長や、仕事を紹介してくれる銀行・証券会社の担当者とのパイプを、サラリーマン時代から意識的に作っておきましょう。

③ 「自分のタグ(専門分野)」を持つ

「なんでもできます」は「なにもできません」と同じです。
「医療法人に強い会計士」「ITベンチャー特化の会計士」「相続専門の会計士」など、数多いるライバルの中で「あなたに頼む理由」を明確にしておくことが、高単価案件獲得の鍵です。

まとめ

公認会計士の独立は、単に「会計の専門家」として働くことではありません。「会計事務所というビジネスの経営者」になることです。

監査法人という温室を出るリスクはありますが、自分の腕一本で勝負し、クライアントから直接「先生、ありがとう」と感謝される喜びは、独立した者にしか味わえない醍醐味です。

もしあなたが「自由」と「挑戦」を求めるなら、独立は間違いなく最高のキャリアパスになるはずです。まずは、今の環境で「税務」と「人脈」の種まきから始めてみてください。

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