「公認会計士試験に合格したら、まずはBIG4へ」
「でも、4つの監査法人の違いがよく分からない…」
「年収が高いのはどこ? 一番忙しいのは?」
公認会計士合格者の9割以上がファーストキャリアとして選ぶのが、「BIG4(ビッグフォー)」と呼ばれる4大監査法人です。
一見するとどこも同じ「巨大組織」に見えますが、実は社風、クライアントの傾向、そしてキャリアの積み方には明確な「個性」があります。
この記事では、業界の内側を知るプロの視点から、BIG4各社のリアルな特徴、年収事情、激務度を徹底比較し、あなたが選ぶべき法人のヒントを提供します。
そもそも「BIG4」とは? 世界4大会計事務所との関係
日本の公認会計士業界における「BIG4」とは、以下の4つの監査法人を指します。これらは、世界の「4大会計事務所(グローバルファーム)」と提携し、その日本メンバーファームとして活動しています。
| 日本の監査法人名 | 提携グローバルファーム |
|---|---|
| 有限責任監査法人トーマツ (Tohmatsu) |
Deloitte (デロイト) |
| 有限責任 あずさ監査法人 (Azusa) |
KPMG |
| EY新日本有限責任監査法人 (ShinNihon) |
EY (アーンスト・アンド・ヤング) |
| PwC Japan有限責任監査法人 (PwC) |
PwC (プライスウォーターハウスクーパース) |
※PwCは旧「PwCあらた」と「PwC京都」が合併し、現在は「PwC Japan有限責任監査法人」となっています。
これら4法人だけで、日本の上場企業の監査の大部分を独占しており、規模・年収・ステータスの全てにおいて業界のトップに君臨しています。
【徹底比較】BIG4各社の「社風」と「特徴」
それでは、各社の具体的な特徴を見ていきましょう。「組織のトーマツ、人のあずさ、自由の新日本、実力のPwC」としばしば形容されます。
① 有限責任監査法人トーマツ (Deloitte)
キーワード:「組織のトーマツ」「体育会系」「最大規模」
- 特徴:業界最大級の規模と収益を誇ります。「個」よりも「組織」の力を重視し、統制が取れています。教育制度が非常に充実しており、新人を徹底的に鍛え上げる文化があります。
- クライアント:商社、金融機関などに強み。三菱グループ、三井グループなどの超大手が顧客に名を連ねます。
- 雰囲気:やや体育会系で熱い人が多いと言われます。上昇志向が強く、バリバリ働きたい人に向いています。
② 有限責任 あずさ監査法人 (KPMG)
キーワード:「人のあずさ」「スマート」「バランス」
- 特徴:「穏やかでスマートな人が多い」という評判が定着しています。ガツガツしすぎず、ワークライフバランスを重視する傾向も見られます。
- クライアント:住友グループ、三菱UFJ、ホンダ、NECなど。製造業や金融に強固な基盤を持っています。
- 雰囲気:協調性を重んじる風土。「いい人」が多く、人間関係のストレスが比較的少ないと言われることが多いです。
③ EY新日本有限責任監査法人 (EY)
キーワード:「自由の新日本」「伝統」「改革中」
- 特徴:日本最古の歴史を持つ伝統ある法人。かつては圧倒的No.1でしたが、東芝問題などを経て大規模な組織改革を断行。現在はIT化や働き方改革に最も積極的な法人の一つです。
- クライアント:みずほFG、日立製作所、日産自動車など。建設・不動産業界にも強いです。
- 雰囲気:「風通しが良い」「自由」な校風。個人の裁量が大きく、のびのび働ける環境を好む人に人気です。
④ PwC Japan有限責任監査法人 (PwC)
キーワード:「実力のPwC」「外資系」「先進的」
- 特徴:他の3法人とは成り立ちが異なり、最初から外資系クライアント向けに設立された経緯があります(旧あらた)。そのため、グローバル基準の監査手法や、コンサルティング部門との連携が強力です。
- クライアント:トヨタ自動車、ソニーグループなど、日本を代表するグローバル企業を擁しています。
- 雰囲気:最も「外資系」に近いドライさとスタイリッシュさがあります。実力主義の傾向が強く、専門性を磨きたい人に選ばれています。
BIG4の「年収」比較:実はほとんど変わらない?
気になる年収ですが、結論から言えば「4社間で大きな差はない」というのが現実です。どこに入っても高水準です。
💰 BIG4の平均的な年収モデル(残業代込み)
- スタッフ(1〜4年目):550万 〜 750万円
- シニア(4〜8年目):800万 〜 1,000万円
- マネージャー(管理職):1,000万 〜 1,300万円
- パートナー(役員):1,500万円 〜 数千万円(青天井)
※残業時間や個人の評価によって変動します。
【年収の差が生まれるポイント】
- 残業代:スタッフ・シニア層は残業代で年収が大きく変わります。「激務なチーム」ほど年収は高くなります。
- 業績賞与(ボーナス):法人の業績が良い年はボーナスが増えます。近年は人材獲得競争のため、各社とも初任給の引き上げを行っています。
激務度:結局どこが一番忙しいの?
「BIG4は激務」というのは事実ですが、会社による違いよりも「配属されたチーム(クライアント)」による違いの方が圧倒的に大きいです。
「激務」になりやすいパターン
- 決算期(4月〜5月):どの法人でも、この時期は土日出勤・終電帰りが当たり前になる「繁忙期」です。
- 人手不足のチーム:急成長中のクライアントや、問題が起きているクライアントを担当するチームは、慢性的に忙しい傾向があります。
- IFRS(国際会計基準)導入企業:求められる監査水準が高いため、作業量が多くなります(その分、スキルは身につきます)。
「あずさだからホワイト」「トーマツだからブラック」といった単純な図式は当てはまりません。OB訪問などで、志望する事業部の具体的な働き方を聞くのが確実です。
まとめ:どのBIG4を選ぶべきか?
BIG4であれば、どこを選んでも「年収」「キャリアの箔」「研修制度」において間違いはありません。
最終的な決め手は、以下の2点に絞られます。
- 担当したいクライアント・業界があるか
(例:トヨタを見たいならPwC、メガバンクならあずさor新日本、など) - 「人」や「雰囲気」が自分に合うか
(説明会やリクルーターと話した時の直感を信じるのが、意外と正解です)
どの法人も、説明会やイベントを積極的に開催しています。実際に足を運び、その法人の空気を肌で感じて、あなたにベストなBIG4を選んでください。

