まずは、日商簿記3級の合格、本当におめでとうございます!
簿記の面白さや、数字が繋がる達成感を感じ始めた今、こんなことを考えていませんか?
「この勢いで2級にも挑戦したいけど、どれくらい難しいんだろう?」
「3級と2級って、具体的に何が違うの?」
「”工業簿記”っていうのがよく分からない…」
その疑問、非常によく分かります。簿記2級は、3級の「延長線上」にあると思われがちですが、実際には「質」も「量」も大きくジャンプアップします。
この記事では、3級合格者のあなたが次に目指すべき「簿記2級」について、3級との違い、本当の難易度、そして合格に必要な勉強時間を徹底的に比較・解説します。
結論:簿記2級は「別物」。だが、3級合格者なら必ず合格できる
結論から言えば、簿記2級の難易度は3級とは「別物」です。甘く見てはいけません。
3級が「簿記の基本的なルール(個人商店)」を学んだのに対し、2級は「実務で通用する本格的な会計知識(株式会社+製造業)」を学びます。
しかし、心配は不要です。3級で身につけた「仕訳」という最強の武器は、2級でも変わらず中核となります。3級合格の勢いがある「今」こそ、2級に挑戦する絶好のタイミングです。
簿記3級 vs 簿記2級 比較サマリー
まずは、両者の違いを一覧表で比較してみましょう。
| 項目 | 日商簿記3級 | 日商簿記2級 |
|---|---|---|
| 試験範囲 | 商業簿記 (個人商店の会計) |
商業簿記(株式会社の会計) + 工業簿記(製造業の原価計算) |
| 主な論点 | 商品売買(三分法)、現金・預金、固定資産の減価償却、決算整理(基本的なもの) | 【商業】 ・株式会社の会計(株式、純資産) ・連結会計、税効果会計 ・リース取引、外貨建取引 【工業】 ・原価計算の基礎、勘定連絡 ・個別/総合/標準/直接原価計算 |
| 合格率 (目安) | 30% 〜 40% (比較的安定) |
15% 〜 30% (試験回により変動が激しい) |
| 勉強時間 (目安) | 50 〜 100時間 | 3級合格後、さらに 150 〜 250時間 |
| レベル | 簿記の基本ルールを理解 | 経営管理に役立つ実践的スキル (転職・就職で「必須」レベル) |
最大の変更点は、試験範囲に「工業簿記」が丸ごと追加されることです。これが、簿記2級の難易度を押し上げる最大の要因です。
簿記2級で「何が」難しくなる? 3級との違い
2級で学ぶ「商業簿記」と「工業簿記」。それぞれが3級とどう違うのか、具体的に見ていきましょう。
①【商業簿記】「株式会社の会計」へレベルアップ
3級では「個人商店の店主」の目線でしたが、2級では「株式会社(大企業)」の経理担当者の目線になります。
- 論点が「深く・広く」なる:
3級で学んだ固定資産や有価証券も、より複雑な処理(圧縮記帳、リース取引など)が登場します。 - 株式会社特有の会計:
株式の発行や配当(純資産の部)など、3級では登場しなかった「株式会社」特有の取引を学びます。 - 2級商業簿記のラスボス「連結会計」:
親会社と子会社の財務諸表を「合算」するという、非常に高度な処理を学びます。ここが最初の大きな壁となるでしょう。
②【工業簿記】最大の壁!「原価計算」という新概念
3級合格者が最も戸惑うのが、この「工業簿記」です。これは商業簿記の延長ではなく、まったく新しい「モノづくりの会計」です。
<3級(商業)と2級(工業)の決定的な違い>
- 3級 商業簿記:外部から商品を「仕入れ」、それに利益を乗せて「販売」する。(例:八百屋、本屋)
- 2級 工業簿記:外部から「材料」を仕入れ、自社工場で「加工」し、「製品」として完成させ、「販売」する。(例:自動車メーカー、パン屋)
工業簿記の目的は、「この製品1個作るのに、いくらかかったのか?(=原価)」を正確に計算することです。
この「原価計算」を学ぶため、お金の流れが商業簿記より複雑になります。
- 「材料費」「労務費(人件費)」「経費」の分類から始まり…
- 「仕掛品(作りかけの製品)」勘定を経由し…
- 「製品(完成品)」勘定へ振り替える…
この一連の流れを理解するのが、工業簿記攻略の鍵となります。最初は戸惑いますが、一度「流れ」を掴んでしまえば、商業簿記より高得点が狙える「得点源」に変わります!
簿記2級合格に必要な「勉強時間」は?
3級合格者が2級合格に必要とされる勉強時間は、一般的に以下の通りです。
3級合格後、さらに…
150 〜 250 時間
(例:1日2時間の勉強なら約3〜4ヶ月)
※3級の知識がしっかり定着している人の場合。
3級の知識(特に仕訳)があやふやになっていると、復習時間も必要なため、200〜300時間かかる場合もあります。3級合格から時間が空いていない「今」が、最も効率よく学習をスタートできるチャンスです。
なぜ今、簿記2級を目指すべきなのか?
「難しそう…」と感じたかもしれません。しかし、簿記2級の価値は、その難易度を遥かに上回ります。
① 転職・就職で「必須スキル」として評価される
「簿記3級=趣味・教養」「簿記2級=実務スキル」というのが、転職市場での一般的な認識です。
多くの企業の経理・財務部門では、応募条件として「日商簿記2級以上」を掲げています。2級を持つことで、あなたは初めて「経理の土俵に立てる」のです。
② 企業の「経営分析」が見えてくる
工業簿記(原価計算)を学ぶと、「どうすればコストを削減できるか」という製造業の経営の核心が見えてきます。また、連結会計を学べば、大企業のグループ経営の仕組みが分かります。
単なる「記帳係」ではなく、数字から経営課題を読み解く「ビジネスの共通言語」が手に入ります。
③ さらなる上位資格への「登竜門」
簿記2級は、ゴールであると同時に「スタートライン」でもあります。
もしあなたが将来、簿記1級、さらには税理士や公認会計士といった超難関の国家資格を目指すのであれば、簿記2級(特に工業簿記の原価計算)の知識は絶対に避けて通れません。
まとめ
簿記2級は、3級に比べて学習範囲が格段に広がり、特に「工業簿記」という全く新しい概念が登場するため、難易度は大きく上がります。
しかし、3級で学んだ「仕訳のルール」や「決算整理」の基礎体力があるあなたなら、決して乗り越えられない壁ではありません。
簿記2級は、あなたのキャリアを大きく変える力を持つ、非常に「コストパフォーマンスの高い」資格です。
3級合格の達成感を胸に、その知識が熱いうちに、次なるステップへ踏み出しましょう!

