現役経理が教える!簿記3級の知識が「実務でこう役立つ」瞬間5選

「簿記3級に合格したけど、これって本当に役に立つの?」
「経理以外の仕事でも、勉強した意味はある?」
「資格は取ったけど、実務でどう活きるのかピンとこない…」

簿記3級の学習、お疲れ様です。合格された方も、学習中の方も、その知識が「単なる資格の知識」で終わるのではないかと不安に思うかもしれません。

ご安心ください。現役の経理担当者から見て、簿記3級の知識はあらゆるビジネスシーンで「使える」武器になります。

この記事では、簿記3級で学んだ知識が「実際の仕事でこう役立つ!」という具体的な瞬間を、職種をまたいで5つ厳選してご紹介します。

簿記3級は、会社の「共通言語」を学ぶこと

簿記3級の学習は、「仕訳」や「試算表」といった専門用語を覚えることだと思われがちです。しかし、その本質は「会社がどうやってお金を管理し、どうやって利益を出しているか」という仕組み(=ビジネスの共通言語)を理解することにあります。

経理はもちろん、営業、経営者、管理職…すべての人がこの「言語」を知っていると、会社はもっとスムーズに動きます。では、具体的に見ていきましょう。

瞬間①【経理】「銀行残高と帳簿が合わない!」パニックを回避

経理の日常業務で、銀行の実際の残高と、会社の帳簿(システム)上の残高が合わないことは頻繁に起こります。

<実務シーン>
「あれ?銀行の残高が100万円なのに、帳簿は110万円になっている…10万円はどこへ?」

<ここで役立つ3級の知識>
簿記3級で学ぶ「試算表(T/B)」や「現金預金」の考え方です。
あなたは冷静にこう考えられます。「あ、昨日振り込んだはずのA社への支払いが、まだ銀行で引き落とされていないだけかも」あるいは「月末の入金が、翌月1日に入金処理されている『未達取引』かな?」と。

仕訳と試算表の「貸借が必ず一致する」という大原則を知っているため、パニックにならず、論理的に原因を突き止められるのです。

瞬間②【営業】「売上」と「本当の儲け」を区別できる

営業職にとって、「売上」は最大の目標です。しかし、売上だけを追いかけていては、会社は儲かりません。

<実務シーン>
同僚:「今月1,000万円売り上げた!すごいだろう!」
上司:「いや、そのために値引きをしすぎて、仕入れ値(原価)が950万円かかっている。粗利益はたった50万円だぞ」

<ここで役立つ3級の知識>
「売上(収益)」から「売上原価(費用)」を引いて「売上総利益(利益)」を計算する、損益計算書(P/L)の基本的な構造です。

簿記3級を学んだあなたは、「いくらで売るか」と同時に「いくらで仕入れたか」を意識し、「会社にどれだけ『利益』を残せるか」という視点で営業活動ができるようになります。この視点を持つ営業は、経営陣から高く評価されます。

瞬間③【全社員】「なぜかお金が減る…」を勘定科目で分析できる

「最近、出張が多いから経費がかさんでるな…」といった漠然とした感覚は、具体的な行動に繋がりません。

<実務シーン>
社長:「今月、利益が少ないな!みんな、経費を使いすぎだ!節約しろ!」
(これでは社員は何を節約すればいいか分かりません)

<ここで役立つ3級の知識>
「勘定科目(かんじょうかもく)」の知識です。簿記3級を学んだあなたは、経費を「雑費」というブラックボックスではなく、「旅費交通費」「消耗品費」「接待交際費」などに分類する意味を知っています。

社長、先月と比べて『旅費交通費』が30%増えています。出張の見直しが必要かもしれません。一方、『接待交際費』は20%減っています」と、数字(事実)に基づいた具体的な議論ができるようになります。

瞬間④【経営者・管理職】「黒字倒産」の危険性に気づける

「利益(黒字)は出ているはずなのに、なぜか手元の現金(キャッシュ)がない…」これは中小企業でよくある深刻な悩みです。

<実務シーン>
経営者:「今月は100万円の利益が出た!(P/Lを見て)。だが、銀行口座の残高は先月より減っている。なぜだ!?」

<ここで役立つ3級の知識>
「損益計算書(P/L)」と「貸借対照表(B/S)」の関係性です。簿記3級で学ぶ「売掛金(うりかけきん)」と「買掛金(かいかけきん)」の知識がここで光ります。

あなたはB/Sを見てこう分析します。「利益は出ていますが、『売掛金(未回収の売上)』が500万円も膨らんでいます。これでは現金は増えません。逆に『買掛金(仕入れの支払い)』の期日が迫っています。倒産はしなくとも、資金繰りが危険です」と。

この「P/L(利益)」と「B/S(財産・現金)」をセットで見る視点は、会社の命運を左右します。

瞬間⑤【経理】決算書の「意味」が分かり、仕事が楽しくなる

最後は、経理担当者としてのやりがいです。

<実務シーン>
(学習前)「上司に言われた通りに、この伝票をこのソフトに入力するだけ…何の役に立ってるんだろう…」
(学習後)「なるほど、この仕訳(入力)が、最終的に決算書の『あの部分』に繋がるのか!」

<ここで役立つ3級の知識>
日々の「仕訳」が、「総勘定元帳」に集計され、「試算表」になり、最終的に「P/L」と「B/S」という会社の成績表になる、という一連の「流れ」を知っていることです。

単なる「入力作業」が、会社の「成績表を作成する」という重要な仕事の一部であると理解できると、日々の業務へのモチベーションが劇的に変わります。

まとめ

簿記3級は、単なる「資格」ではありません。それは、会社の数字という「共通言語」を読み解き、使いこなすための「翻訳機」を手に入れることです。

経理であれば仕事の「意味」が分かり、営業であれば「利益」への意識が高まり、経営者であれば「危険」を察知できます。

あなたが今学んでいるその知識は、あらゆるビジネスシーンであなたの「武器」となります。自信を持って、学習や実務に取り組んでください!

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