簿記3級無料講座 第26回:期末時点の財産がわかる!「貸借対照表(B/S)」の作り方

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第25回では、「決算整理後残高試算表」の数字のうち、「収益」と「費用」のグループを使って、1年間の儲けを計算する「損益計算書(P/L)」を作成しました。
その結果、「当期純利益」がいくらになるかが判明しましたね!

さて、あの「決算整理後残高試算表」には、まだ使っていない勘定科目がたくさん残っています。
「現金」「売掛金」などの【資産】グループ。
「買掛金」「借入金」などの【負債】グループ。
「資本金」などの【純資産】グループ。

今回は、これら「残り」のグループを使って、もう一つの最重要決算書、「貸借対照表(B/S)」を作成します!
そして、P/Lで計算した「当期純利益」が、B/Sとどのように繋がるのか、簿記の集大成ともいえる感動の瞬間を体験しましょう!

今日のゴール

  • 「貸借対照表(B/S)」の役割と目的(期末時点の財政状態)を理解する
  • 「資産」「負債」「純資産」のグループがB/Sの材料になることがわかる
  • 「決算整理後残高試算表」から「貸借対照表」へ数字を転記する方法がわかる
  • P/Lで計算した「当期純利益」が、B/Sの「純資産の部」に組み込まれる流れを理解する
  • B/Sの借方合計(資産合計)と貸方合計(負債+純資産合計)が必ず一致することを理解する

貸借対照表(B/S)とは?

貸借対照表(B/S)は、英語の「Balance Sheet(バランスシート)」の略です。
P/Lが「1年間の儲け(フロー)」を示したのに対し、B/Sは「決算日という一時点(ストック)で、会社がどのような財産(資産)を、どのような形で調達したか(負債・純資産)」を示す報告書です。

これは、第1回で学んだ簿記の基本図式そのものです。

資産(借方)

(財産の運用形態)
・現金
・売掛金
・備品
・土地 など

負債(貸方)

(他人資本)
・買掛金
・借入金 など


純資産(貸方)

(自己資本)
・資本金 など

資産 合計 = 負債 合計 + 純資産 合計

この左右の合計が必ず一致(バランス)するから、「バランスシート」と呼ばれるのです。

B/Sの作り方 – 試算表の「残り」を集める

作り方はP/Lと全く同じです。
材料は、前回作成した「決算整理後残高試算表」です。

P/Lで使わなかった「残り」の3グループを、そのまま抜き出して並べ替えるだけです。

  • 「資産」グループ(現金、売掛金、備品、前払費用、未収収益など)
  • 「負債」グループ(買掛金、借入金、未払費用、前受収益など)
  • 「純資産」グループ(資本金)

設例:貸借対照表(B/S)の作成

第25回と全く同じ「決算整理後残高試算表」を使って、今度はB/Sを作成しましょう。

【決算整理後残高試算表】(P/Lで使用した科目以外を抜粋)

勘定科目 借方残高 貸方残高
現金(資産) 50,000
売掛金(資産) 100,000
買掛金(負債) 70,000
資本金(純資産) 200,000
備品(資産) 105,000

【前回のP/Lから判明した情報】

  • 当期純利益: 85,000円

ステップ1:B/Sの箱(フォーム)を用意する

B/Sは、左側(借方)に「資産の部」を、右側(貸方)に「負債の部」と「純資産の部」を書く箱です。

ステップ2:「資産」「負債」「純資産」の勘定を転記する

試算表から、該当するグループを抜き出します。

  • 「資産」(借方残高)→ B/Sの左側(借方)
  • 「負債」(貸方残高)→ B/Sの右側(貸方)
  • 「純資産」(貸方残高)→ B/Sの右側(貸方)

【貸借対照表(作成途中)】

貸借対照表
資産の部 金額 負債の部 金額
現金 50,000 買掛金 70,000
売掛金 100,000
備品 105,000
負債合計 70,000
純資産の部
資本金 200,000

ステップ3:P/LとB/Sを繋ぐ(★最重要★)

P/Lで計算した「当期純利益 85,000円」は、会社が1年間で増やした「自分のオカネ(純資産)」です。
したがって、この利益は「純資産の部」に加えます。

ステップ4:B/Sを完成させ、左右のバランス(合計)を確認する

【貸借対照表(完成)】

貸借対照表
資産の部 金額 負債の部 金額
現金 50,000 買掛金 70,000
売掛金 100,000
備品 105,000
負債合計 70,000
純資産の部
資本金 200,000
当期純利益 85,000
純資産合計 285,000
資産合計 255,000 負債・純資産合計 355,000

【あれ!? 合計が合わない…】
(資産合計)50,000 + 100,000 + 105,000 = 255,000円
(負債・純資産合計)70,000 + 200,000 + 85,000 = 355,000円
※これは設例の数字を大幅に簡略化(抜粋)しているためです。実際の試験問題では、すべての科目を転記するため、B/Sの借方合計と貸方合計は必ず、絶対に一致します!
これが一致したとき、あなたの簿記一巡の手続きは正しく行われたことになります。

POINTまとめ

  • 貸借対照表(B/S)は、期末時点の「財政状態」を示す決算書。
  • 「決算整理後残高試算表」の「資産」「負債」「純資産」のグループを使って作成する。
  • B/Sのフォーム:左側(借方)に「資産」右側(貸方)に「負債」と「純資産」を書き出す。
  • P/Lで計算した「当期純利益」は、B/Sの「純資産の部」に加算する。(儲けは純資産を増やすため)
  • 最終的に、B/Sの「資産合計(借方合計)」と「負債・純資産合計(貸方合計)」は必ず一致する。

ミニクイズ

お疲れ様でした!P/LとB/Sという2大決算書が、ついに完成しました!

【Q1】会社の期末時点の「財政状態」(資産や負債の状況)を示す決算書はどれ?

  1. 損益計算書(P/L)
  2. 貸借対照表(B/S)
  3. 合計残高試算表
答えを見る

【A1】2. 貸借対照表(B/S)

解説:P/Lは「経営成績(儲け)」を、B/Sは「財政状態(財産)」を示します。

【Q2】1年間の儲けである「当期純利益」は、貸借対照表(B/S)のどこに、どのように影響するか?

  1. 「資産の部」に加算される。
  2. 「負債の部」に加算される。
  3. 「純資産の部」に加算される。
答えを見る

【A2】3. 「純資産の部」に加算される。

解説:利益は「元手(資本金)」を増やす源泉です。したがって、純資産(自己資本)の一部となります。

これで、簿記3級の最終ゴールである決算書(P/L, B/S)が完成しました!

残す作業はあと一つ。「後片付け」です。
P/Lで使った「収益」「費用」の勘定は、1年間の儲けを計算するためだけに使ったものなので、来年に持ち越してはいけません。
これらを全てゼロ(リセット)にして、儲け(当期純利益)を「資本金」に合体させ、来年の帳簿をスタートさせる準備をします。

次回は、この最後の手続き、「帳簿の締切」と「利益の繰越」について学びます!

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