簿記3級無料講座 第25回:1年間の儲けがわかる!「損益計算書(P/L)」の作り方

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第24回では、日々の取引を集計した「決算整理前残高試算表」に、第4部で学んだ全ての「決算整理仕訳」を反映させ、ついに「決算整理後残高試算表」という「完成版」の試算表を作成しました。

この「決算整理後残高試算表」には、会社の「正しい成績」を示すための、全ての勘定科目の最終残高が載っています。
いよいよ、この「完成版の設計図」を使って、最終ゴールである「決算書(財務諸表)」を作成していきます!

今回は、その第一弾。
1年間の経営活動の結果、会社がどれだけ「儲かった」のか、あるいは「損した」のかを計算する報告書、「損益計算書」の作り方をマスターしましょう!

今日のゴール

  • 「損益計算書(P/L)」の役割と目的を理解する
  • 「収益」と「費用」のグループがP/Lの材料になることがわかる
  • 「決算整理後残高試算表」から「損益計算書」へ数字を転記する方法がわかる
  • 1年間の儲けである「当期純利益」の計算方法と、P/Lへの書き方がわかる

損益計算書(P/L)とは?

損益計算書(P/L)は、英語の「Profit and Loss Statement」の略で、その名の通り「利益(Profit)」と「損失(Loss)」を計算する表です。
「貸借対照表(B/S)」と並ぶ、最も重要な決算書の一つです。

P/Lの目的はとてもシンプルです。

「一定期間(通常1年間)で、会社がどれだけ儲かったか(当期純利益)を報告すること」です。

計算式は、簿記の基本である「5つのグループ」を思い出せば簡単です。

収益(儲けのモト) - 費用(儲けのために使ったお金) = 利益

P/Lは、この計算を一覧表にしたものなのです。

決算整理後残高試算表からP/Lを作る

では、どうやってP/Lを作るのか?
材料は、前回作成した「決算整理後残高試算表」です。

あの試算表には、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5グループすべての最終残高が載っていました。
P/Lを作るのは、そのうちの2つのグループだけです。

・「収益」グループの勘定科目(売上、受取利息など)
・「費用」グループの勘定科目(仕入、給料、減価償却費など)

これら2つのグループの残高を、決算整理後残高試算表からそのまま抜き出して並べ替えるだけで、損益計算書は完成します!

イラスト解説:試算表の「分解」

「決算整理後残高試算表」は、P/LとB/Sの2つの決算書に分解されます。

試算表の分解イメージ

決算整理後残高試算表
(全5グループの残高)

→ ①P/Lへ

・収益グループ
・費用グループ

→ ②B/Sへ

・資産グループ
・負債グループ
・純資産グループ

今回は、①の「P/L」の作り方を学びます!

設例:損益計算書(P/L)の作成

以下の「決算整理後残高試算表」を使って、P/Lを作成してみましょう。

【決算整理後残高試算表】(一部抜粋)

勘定科目 借方残高 貸方残高
現金 50,000
売掛金 100,000
買掛金 70,000
資本金 200,000
売上(収益) 500,000
仕入(費用) 300,000
給料(費用) 120,000
受取家賃(収益) 10,000
支払利息(費用) 5,000

ステップ1:P/Lの箱(フォーム)を用意する

P/Lは、左側(借方)に「費用」を、右側(貸方)に「収益」を書き込む箱です。

ステップ2:「収益」と「費用」の勘定を転記する

試算表から、「収益」グループ(赤色)と「費用」グループ(緑色)だけを抜き出します。

  • 「費用」(借方残高)→ P/Lの左側(借方)
  • 「収益」(貸方残高)→ P/Lの右側(貸方)

【損益計算書(作成途中)】

損益計算書
費用 金額 収益 金額
仕入 300,000 売上 500,000
給料 120,000 受取家賃 10,000
支払利息 5,000
費用合計 425,000 収益合計 510,000

ステップ3:利益(または損失)を計算する

(収益合計)510,000円 - (費用合計)425,000円 = 85,000円

収益(儲け)の方が費用(使ったお金)より多いので、85,000円の「利益」が出ました!
この1年間の最終的な利益を「当期純利益(とうきじゅんりえき)」といいます。

ステップ4:P/Lを完成させる

この「当期純利益」は、P/Lの「差額」です。
P/Lも試算表と同じく、最終的な借方合計と貸方合計を一致させる必要があります。
現在、貸方(収益)が85,000円多い状態なので、その差額(=利益)を、費用の側(借方)に書き足して、両側の合計を揃えます。

【損益計算書(完成)】

損益計算書
費用 金額 収益 金額
仕入 300,000 売上 500,000
給料 120,000 受取家賃 10,000
支払利息 5,000
当期純利益 85,000
合計 510,000 合計 510,000

※もし費用の方が大きかった場合(赤字)は、「当期純損失」として収益の側(右側)に書き、合計を一致させます。

POINTまとめ

  • 損益計算書(P/L)は、1年間の「儲け(利益)」を計算するための決算書。
  • 「決算整理後残高試算表」の「収益」と「費用」のグループだけを使って作成する。
  • P/Lのフォーム:左側(借方)に「費用」右側(貸方)に「収益」を書き出す。
  • (収益合計)-(費用合計)= 当期純利益(黒字の場合)
  • 「当期純利益」は、P/Lの左側(借方・費用側)に記入して、左右の合計を一致させる。

ミニクイズ

お疲れ様でした!ついに1年間の「儲け」が計算できました!クイズで確認しましょう。

【Q1】「損益計算書」を作成するために、「決算整理後残高試算表」から抜き出す勘定科目のグループはどれ?

  1. 「資産」と「負債」
  2. 「収益」と「費用」
  3. 「資産」と「純資産」
答えを見る

【A1】2. 「収益」と「費用」

解説:P/Lは「収益」から「費用」を引いて「利益」を計算する表です。

【Q2】1年間の収益の合計が 1,000円、費用の合計が 800円だった。このとき、「当期純利益 200円」は損益計算書のどちらに記入する?

  1. 左側(借方・費用側)
  2. 右側(貸方・収益側)
答えを見る

【A2】1. 左側(借方・費用側)

解説:収益(右側)が 1,000円、費用(左側)が 800円 で、右側が 200円 多い状態です。
左右の合計を 1,000円 で一致させるため、差額である利益 200円 を左側(費用側)に記入します。

これで、1年間の「儲け」=「当期純利益 85,000円」が確定しました!

では、あの「決算整理後残高試算表」にあった、P/Lに使わなかった残りの勘定科目…「現金」や「売掛金」(資産)、「買掛金」(負債)、「資本金」(純資産)は、どこへ行くのでしょうか?

次回は、もう一つの決算書、会社の「財産目録」である「貸借対照表(B/S)」の作り方を学びます!
そして、P/Lで計算した「当期純利益」が、B/Sと感動のドッキングを果たします!お楽しみに!

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