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第24回では、日々の取引を集計した「決算整理前残高試算表」に、第4部で学んだ全ての「決算整理仕訳」を反映させ、ついに「決算整理後残高試算表」という「完成版」の試算表を作成しました。
この「決算整理後残高試算表」には、会社の「正しい成績」を示すための、全ての勘定科目の最終残高が載っています。
いよいよ、この「完成版の設計図」を使って、最終ゴールである「決算書(財務諸表)」を作成していきます!
今回は、その第一弾。
1年間の経営活動の結果、会社がどれだけ「儲かった」のか、あるいは「損した」のかを計算する報告書、「損益計算書」の作り方をマスターしましょう!
今日のゴール
- 「損益計算書(P/L)」の役割と目的を理解する
- 「収益」と「費用」のグループがP/Lの材料になることがわかる
- 「決算整理後残高試算表」から「損益計算書」へ数字を転記する方法がわかる
- 1年間の儲けである「当期純利益」の計算方法と、P/Lへの書き方がわかる
損益計算書(P/L)とは?
損益計算書(P/L)は、英語の「Profit and Loss Statement」の略で、その名の通り「利益(Profit)」と「損失(Loss)」を計算する表です。
「貸借対照表(B/S)」と並ぶ、最も重要な決算書の一つです。
P/Lの目的はとてもシンプルです。
「一定期間(通常1年間)で、会社がどれだけ儲かったか(当期純利益)を報告すること」です。
計算式は、簿記の基本である「5つのグループ」を思い出せば簡単です。
P/Lは、この計算を一覧表にしたものなのです。
決算整理後残高試算表からP/Lを作る
では、どうやってP/Lを作るのか?
材料は、前回作成した「決算整理後残高試算表」です。
あの試算表には、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5グループすべての最終残高が載っていました。
P/Lを作るのは、そのうちの2つのグループだけです。
・「収益」グループの勘定科目(売上、受取利息など)
・「費用」グループの勘定科目(仕入、給料、減価償却費など)
これら2つのグループの残高を、決算整理後残高試算表からそのまま抜き出して並べ替えるだけで、損益計算書は完成します!
イラスト解説:試算表の「分解」
「決算整理後残高試算表」は、P/LとB/Sの2つの決算書に分解されます。
試算表の分解イメージ
決算整理後残高試算表
(全5グループの残高)
⬇
→ ①P/Lへ
・収益グループ
・費用グループ
→ ②B/Sへ
・資産グループ
・負債グループ
・純資産グループ
今回は、①の「P/L」の作り方を学びます!
設例:損益計算書(P/L)の作成
以下の「決算整理後残高試算表」を使って、P/Lを作成してみましょう。
【決算整理後残高試算表】(一部抜粋)
| 勘定科目 | 借方残高 | 貸方残高 |
|---|---|---|
| 現金 | 50,000 | |
| 売掛金 | 100,000 | |
| 買掛金 | 70,000 | |
| 資本金 | 200,000 | |
| 売上(収益) | 500,000 | |
| 仕入(費用) | 300,000 | |
| 給料(費用) | 120,000 | |
| 受取家賃(収益) | 10,000 | |
| 支払利息(費用) | 5,000 |
ステップ1:P/Lの箱(フォーム)を用意する
P/Lは、左側(借方)に「費用」を、右側(貸方)に「収益」を書き込む箱です。
ステップ2:「収益」と「費用」の勘定を転記する
試算表から、「収益」グループ(赤色)と「費用」グループ(緑色)だけを抜き出します。
- 「費用」(借方残高)→ P/Lの左側(借方)へ
- 「収益」(貸方残高)→ P/Lの右側(貸方)へ
【損益計算書(作成途中)】
| 損益計算書 | |||
|---|---|---|---|
| 費用 | 金額 | 収益 | 金額 |
| 仕入 | 300,000 | 売上 | 500,000 |
| 給料 | 120,000 | 受取家賃 | 10,000 |
| 支払利息 | 5,000 | ||
| 費用合計 | 425,000 | 収益合計 | 510,000 |
ステップ3:利益(または損失)を計算する
(収益合計)510,000円 - (費用合計)425,000円 = 85,000円
収益(儲け)の方が費用(使ったお金)より多いので、85,000円の「利益」が出ました!
この1年間の最終的な利益を「当期純利益(とうきじゅんりえき)」といいます。
ステップ4:P/Lを完成させる
この「当期純利益」は、P/Lの「差額」です。
P/Lも試算表と同じく、最終的な借方合計と貸方合計を一致させる必要があります。
現在、貸方(収益)が85,000円多い状態なので、その差額(=利益)を、費用の側(借方)に書き足して、両側の合計を揃えます。
【損益計算書(完成)】
| 損益計算書 | |||
|---|---|---|---|
| 費用 | 金額 | 収益 | 金額 |
| 仕入 | 300,000 | 売上 | 500,000 |
| 給料 | 120,000 | 受取家賃 | 10,000 |
| 支払利息 | 5,000 | ||
| 当期純利益 | 85,000 | ||
| 合計 | 510,000 | 合計 | 510,000 |
※もし費用の方が大きかった場合(赤字)は、「当期純損失」として収益の側(右側)に書き、合計を一致させます。
POINTまとめ
- 損益計算書(P/L)は、1年間の「儲け(利益)」を計算するための決算書。
- 「決算整理後残高試算表」の「収益」と「費用」のグループだけを使って作成する。
- P/Lのフォーム:左側(借方)に「費用」、右側(貸方)に「収益」を書き出す。
- (収益合計)-(費用合計)= 当期純利益(黒字の場合)
- 「当期純利益」は、P/Lの左側(借方・費用側)に記入して、左右の合計を一致させる。
ミニクイズ
お疲れ様でした!ついに1年間の「儲け」が計算できました!クイズで確認しましょう。
【Q1】「損益計算書」を作成するために、「決算整理後残高試算表」から抜き出す勘定科目のグループはどれ?
- 「資産」と「負債」
- 「収益」と「費用」
- 「資産」と「純資産」
答えを見る
【A1】2. 「収益」と「費用」
解説:P/Lは「収益」から「費用」を引いて「利益」を計算する表です。
【Q2】1年間の収益の合計が 1,000円、費用の合計が 800円だった。このとき、「当期純利益 200円」は損益計算書のどちらに記入する?
- 左側(借方・費用側)
- 右側(貸方・収益側)
答えを見る
【A2】1. 左側(借方・費用側)
解説:収益(右側)が 1,000円、費用(左側)が 800円 で、右側が 200円 多い状態です。
左右の合計を 1,000円 で一致させるため、差額である利益 200円 を左側(費用側)に記入します。
これで、1年間の「儲け」=「当期純利益 85,000円」が確定しました!
では、あの「決算整理後残高試算表」にあった、P/Lに使わなかった残りの勘定科目…「現金」や「売掛金」(資産)、「買掛金」(負債)、「資本金」(純資産)は、どこへ行くのでしょうか?
次回は、もう一つの決算書、会社の「財産目録」である「貸借対照表(B/S)」の作り方を学びます!
そして、P/Lで計算した「当期純利益」が、B/Sと感動のドッキングを果たします!お楽しみに!

